「ドライバーが転職すると、年収は本当に上がるのか」「上がる人と下がる人は何が違うのか」と気になっていませんか。
人材紹介会社プレックスの2026年8月公開レポートでは、トラックドライバーが転職した後の年収の中央値は前職の360万円から438万円へ、78万円(19.8%)上昇していました。ただし年齢で差があり、伸び率は20代が29.5%、40代は13.4%です。求人票の年収は内訳を読まないと実態とずれるため、金額だけで選ぶのは危険です。
この記事では、転職前後の年収変化の実績、職種別の相場、求人票の年収の読み方、上がる転職と下がる転職の分かれ目、手取りと時給で見直す方法を、公的データの数字つきで整理しました。職種ごとの年収の全体像はドライバーの年収と稼げる職種で確認できます。
本記事で紹介する転職先は非公開求人も多いため、業界特化の転職エージェントに登録しておくとスムーズです。
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転職すると年収はどう変わるか:実績データ
求人の金額ではなく「実際に転職した人の前後」で見ると、年収の動きが分かります。プレックスが運営するエッセンシャルワーカー採用研究所のレポート「ドライバー転職と年収の実態」(2026年8月4日公開)の主な数字は次の通りです。
| 項目 | 数字(中央値) |
|---|---|
| 転職前の年収 | 360万円 |
| 転職後の年収 | 438万円(+78万円、+19.8%) |
| 求職者の希望年収 | 500万円 |
| 求人の提示年収 | 385万円 |
| 希望と求人の差 | 115万円 |
出典:Logistics Today「プレックス、『ドライバー転職と年収の実態』レポートを公開」(2026年8月)/PR TIMES 株式会社プレックス「『ドライバー転職と年収の実態』エッセンシャルワーカー採用研究所、第1弾レポートを発行」(2026年8月4日)。2026年10月確認
レポートは人材紹介事業で蓄積した求職者と求人のデータが基になっており、対象人数や期間は公開されていません。業界全体を代表する統計ではなく、人材紹介を使って転職した人の傾向として読むのが適切です。増加率(19.8%)は記事の表記どおりで、金額差から割り算で出した値とは一致しません。
ここから分かるのは次の2点です。1つ目は、転職で年収が上がる人が多いこと。2つ目は、希望年収(500万円)と求人の提示年収(385万円)には大きな開きがあり、希望をそのまま満たす求人は多くないことです。年収を上げるには、求人の探し方と見極め方が結果を左右します。
職種別の年収相場
転職先の候補を比べる前に、職種ごとの相場を押さえます。厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」では、営業用大型貨物自動車運転者(大型トラック)の平均年収は約492万円、全産業の平均は約527万円でした。
出典:FinancialField「長距離トラック運転手の平均年収と年収アップの方法」(令和6年賃金構造基本統計調査の数値を引用。2026年10月確認)
全日本トラック協会の「2024年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」(2024年5〜7月支給分)では、男性運転者の賞与を除く月額は次の通りです。年額は月額を12倍した試算で、実際の年収には賞与が加わります。
| 職種(男性運転者) | 賞与を除く月額 | 12倍した年額(試算) |
|---|---|---|
| けん引運転者 | 約40.4万円 | 約485万円 |
| 大型運転者 | 約38.0万円 | 約456万円 |
| 中型運転者 | 約32.3万円 | 約388万円 |
出典:物流ニュース「全ト協が2024年度版の賃金・労働時間等の実態を公表」(2025年8月)/年額は当サイトの試算
中型と大型・けん引の間には月額で5万〜8万円の差があります。ほかの職種も並べると、次のようになります。
| 職種 | 年収の目安 | 詳しく知る |
|---|---|---|
| 大型トラック | 約492万円(令和6年・厚労省) | 年収600万円の求人の見分け方 |
| タクシー | 全国平均 約415万円(2024年・全国ハイヤー・タクシー連合会) | タクシー運転手の年収と歩合 |
| 宅配 | 雇用形態で大きく異なる | 宅配ドライバーの年収と手取り |
出典:メトロタクシー「タクシー運転手の平均年収はいくら?全国地域別」(2024年の全国ハイヤー・タクシー連合会データ。2026年10月確認)
相場の差から分かるのは、転職で職種や車種を変えるだけで、数十万円単位で年収の土台が変わることです。大型免許やけん引免許があるほど、土台の高い求人を選べます。
求人票の「年収」の内訳の読み方
同じ「年収450万円」でも、中身が違えば実態は別物です。求人票では、次の内訳に分けて読んでください。
| 内訳 | 見るポイント | 落とし穴 |
|---|---|---|
| 基本給 | 残業をしなくても入る固定の額 | 低く抑え、手当で見かけを上げている |
| 各種手当 | 無事故・皆勤・長距離など、条件つきか | 条件を外れると消える |
| 固定残業代 | 何時間分か、超えた分は別に出るか | 時間数が多く、基本給が低い |
| 歩合 | 計算式と、前年の実績者の額 | 荷量や路線で月ごとに変動する |
| 賞与 | 前年の支給実績(月数) | 「年2回」でも寸志程度のことがある |
求人票の「想定月収」「モデル年収」は、残業の想定時間が前提になっていることがあります。前提の月間残業時間と、その時間を実際に超えているドライバーがどのくらいいるかを、面接で必ず聞いてください。
たとえば「月給35万円〜48万円(残業代含む)」の求人は、下限を12か月で換算すると420万円、上限なら576万円です(計算例)。上限を前提に比べると、転職後に思った額が入りません。面接では、入社1年目の実績者の月収を聞くのが確実です。
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年収が上がる転職・下がる転職の分かれ目
転職後の年収の増減は、次の条件で分かれます。
上がりやすい条件
- 大型免許・けん引免許を持っている、または取得する(月額の土台が上がる)
- 運ぶ荷物や路線に専門性がある(危険物、冷凍・冷蔵、重量物など)
- 前職の会社が小規模で、基本給が低かった
- 賞与や昇給の実績が開示されている会社を選べる
下がりやすい条件
- 前職の年収に長時間の残業代が大きく含まれていた
- 歩合が中心の働き方から、固定給中心の職場に移る
- 未経験の車種や職種に移り、初年度は見習い扱いになる
- 正社員から業務委託に移り、社会保険や諸経費を自分で負担する
2024年問題後の残業規制
2024年4月から、ドライバーにも時間外労働の上限(年960時間)が適用されました。前職で残業を多くこなして稼いでいた人は、転職先でも同じ働き方を前提にすると残業代が減って年収が下がる可能性があります。規制後の働き方は2024年問題と転職の実態で詳しく解説しています。
出典:公益社団法人全日本トラック協会「物流の2024年問題」(2026年10月確認)
給料が上がらず悩んでいる場合は、会社の仕組みが原因かもしれません。見分け方はドライバーの給料が上がらない理由にまとめています。
年代別:転職後の年収の伸びの違い
先ほどのレポートでは、転職後の年収の増加率が年代で違うことも示されています。
| 年代 | 転職後の年収の増加率 |
|---|---|
| 20代 | 29.5%(最も高い) |
| 40代 | 13.4%(最も低い) |
| 30代・50代 | 確認できた記事には記載なし |
出典:Logistics Today「プレックス、『ドライバー転職と年収の実態』レポートを公開」(2026年8月。2026年10月確認)
20代は前職の年収が低めで、転職による上がり幅が大きくなりやすいと読めます。一方、40代は伸びが小さくても、土台となる前職の額が高いため、増加率だけでは損得を判断できません。
- 20〜30代:免許の取得や車種の変更で、土台を引き上げやすい時期です。未経験からの動き方はトラックドライバー未経験転職が参考になります。
- 40代:経験を評価する会社を選び、前職の額を下回らないことを優先します。ドライバー40代未経験も確認してください。
- 50代:年収より働き続けやすさを軸にする選択もあります。50代ドライバーの転職に求人の傾向をまとめています。
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手取りと時給で見直す
年収の額面が同じでも、拘束時間が違えば「時間あたりの報酬」は変わります。年収を年間の拘束時間で割ると、時給換算で比べられます。次は仮の数字による試算です。
| 例 | 年収 | 月の拘束時間 | 時給換算(試算) |
|---|---|---|---|
| A社 | 500万円 | 250時間 | 約1,667円 |
| B社 | 450万円 | 200時間 | 約1,875円 |
この例では、年収が50万円低いB社のほうが、時給換算では高くなります。拘束時間は、待機や荷待ちを含めた時間で数えてください。額面の年収に加えて、手取りと時間あたりの報酬の両方で比べると、転職の損得を見誤りにくくなります。
年収から社会保険料と税金が引かれるため、手取りは額面より2割前後少なくなるのが一般的な目安です。業務委託は社会保険料も自己負担になり、車両費や燃料費が引かれる場合もあります。雇用形態ごとの違いは宅配ドライバーの年収と手取りが分かりやすいです。
年収を上げる転職の進め方
- 現在の年収を分解する:基本給、手当、残業代、賞与に分け、残業なしで入る額を出します。
- 譲れない条件を決める:希望年収だけでなく、許容できる月の拘束時間と休日数を決めます。
- 求人票を内訳に分けて比べる:前の章の5項目で、固定の部分を比べます。
- 面接で実績を聞く:入社1年目の月収、賞与の実績、残業の実態を確かめます。
- 複数社を並べて決める:1社だけで決めると、相場とのずれに気づけません。
非公開求人や賞与の実績などは、運送業界に詳しい転職サービスに相談すると早く進みます。今の仕事が合わずに迷っている場合は、ドライバーを辞めたいときの転職先も参考になります。個人事業主の道を考えるなら、軽貨物ドライバーの廃業の現実を先に読んでください。
よくある質問
まとめ
この記事のポイント
- 転職後の年収の中央値は360万円から438万円へ、78万円(19.8%)上昇した(プレックス、2026年8月)
- 増加率は20代が29.5%、40代が13.4%と、年代で差がある
- 希望年収500万円に対し、求人の提示年収は385万円と開きがある
- 求人票は基本給・手当・固定残業代・歩合・賞与に分けて読む
- 年収が同じでも、拘束時間が違えば時給換算は変わる
転職で年収が上がるかどうかは、免許、運ぶ荷物、雇用形態、そして求人票の内訳の見極めで決まります。まず今の年収を分解し、複数の求人を内訳と時給換算で並べてみてください。以下のサービスでは、業界に特化した無料の転職相談が可能です。
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