「施工管理で転職したら、年収は本当に上がるのか」と迷っている方は多いはずです。
JACリクルートメントの転職実績では、年収が上がった人は55.6%(平均+116.1万円)、一方で38.1%は下がっています。差がつくのは、資格・マネジメント経験・提示額の中身の見方です。
この記事では、統計ごとに前提が違う年収データの読み分け方、年収が上がる人の条件、求人票の年収の内訳チェックリストをまとめました。まず現職の年収の位置づけは施工管理の年収の実態、転職先探しは施工管理に強い転職エージェントが近道です。
本記事で紹介する転職先は非公開求人も多いため、業界特化の転職エージェントに登録しておくとスムーズです。
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転職で年収はどう動くか(JAC実績)
施工管理の転職で年収がどう変わるかを示す数字として、JACリクルートメントが公表している転職前後の年収変動が参考になります。調査期間は2025年1月〜2026年4月で、同社の実績ベースの数字です。
| 転職前後の年収変動 | 割合 |
|---|---|
| 200万円以上アップ | 7.9% |
| 100〜199万円アップ | 19.0% |
| 1〜99万円アップ | 28.6% |
| 変動なし | 6.3% |
| 年収ダウン | 38.1% |
出典:JACリクルートメント「施工管理に強い転職エージェントの選び方」(調査期間2025年1月〜2026年4月、当社実績)
年収が上がった人は55.6%で、上がった人の平均上昇額は116.1万円です。ただし約4割は年収が下がっています。転職すれば自動的に上がるわけではなく、何を優先して選んだかで結果が分かれます。
JACはミドル層・ハイクラス向けの転職支援が中心のため、この割合がそのまま施工管理職全体の転職者に当てはまるとは限りません。対象者の年代や職種の内訳は公表されていないため、「上がる人もいれば、下がる人も4割近くいる」という傾向をつかむ目安として使ってください。
どの統計を転職の物差しにするか
施工管理の年収は、どの統計を見るかで100万円以上ずれます。数字の前提が違うためで、比較するときは「何を集計した数字か」を先に確認するのが大切です。
| 統計 | 数字 | 何の数字か |
|---|---|---|
| ジョブリー建設(レクリー)2025年版 | 平均500万円/中央値461万円 | 転職者の年収データ(4万人超)の統計分析 |
| マイナビ転職 2025年版 | 建築606万円・プラント596万円・土木587万円・電気設備579万円・空調設備552万円 | 2024年4月〜2025年3月掲載の求人の「モデル年収例」の平均 |
| JACリクルートメント | 課長未満637.5万円/課長以上858.8万円(全体683.1万円) | 同社の求人・実績ベースの役職別年収(調査時期の記載なし) |
出典:株式会社レクリー「2025年版 施工管理技士の転職動向調査」(2025年3月発表)、マイナビ転職「施工管理の職種別モデル年収平均」(2025年8月更新)、JACリクルートメント
使い分けの目安は次のとおりです。
- 今の自分の年収が平均より高いか低いかを見たい:実際の転職者の年収であるジョブリー建設の数字(平均500万円・中央値461万円)に近い
- 求人票の金額が相場かを見たい:求人のモデル年収を集計したマイナビ転職の数字(550〜600万円台)に近い。モデル年収は「その年収が得られる例」であり、全員がもらえる金額ではない
- 役職を上げた場合の目安を知りたい:課長未満と課長以上で約220万円差があるJACの数字
求人票の数字(約550〜600万円台)が転職者の実際の年収(平均500万円)より高く見えるのは、集計の前提が違うためです。求人票の金額を「自分がもらえる額」と思い込まず、内訳を確認することが、転職後のギャップを防ぎます。現職の年収の位置づけは施工管理の年収の実態、資格別の差は1級と2級の年収の違いでも整理しています。
年収が上がる人の条件と事例
JACの転職事例から、年収が上がった人・変わらなかった人を並べると、傾向が見えてきます。
| 年代 | 転職前 | 転職後 | 年収変化 |
|---|---|---|---|
| 20代後半 | 化学・製造の生産技術 | プラント・電気工事の施工管理 | 500万円→700万円 |
| 30代後半 | 建築系の工事監理 | 不動産・住宅の電気工事施工管理 | 600万円→800万円 |
| 30代後半 | 運輸・物流の土木設計 | 金属・素材の土木施工管理 | 800万円→850万円 |
| 40代前半 | 建設・土木の事業企画 | 不動産・住宅の土木施工管理 | 850万円→950万円 |
| 50代以上 | 土木施工管理 | 土木施工管理 | 700万円→1,100万円 |
| 30代前半 | 電気工事施工管理 | 商社の電気工事施工管理 | 700万円→700万円 |
| 50代以上 | 建設・土木・設備施工 | プラントの土木施工管理 | 1,200万円→1,200万円 |
出典:JACリクルートメント「施工管理に強い転職エージェントの選び方」(事例表に調査期間の記載なし)
事例は10件中、年収アップが7件、同額が3件です(上の表は代表的な7件を抜粋)。上がった事例に共通する点を整理すると、次の3つになります。
1. 発注者側・事業会社側に近い立場へ移る
不動産・住宅、プラント、商社など、工事を発注する側や事業会社の施工管理に移った事例で上昇が目立ちます。ただし、これは10件の事例からの傾向で、業態だけで年収が決まるわけではありません。
2. 1級資格と、現場を統括した経験がある
求人レンジを見ると、JACが保有する求人(2026年7月時点)はエネルギー・プラントの土木系施工管理で600〜1,500万円、電気工事施工管理で800〜1,500万円と幅があります。幅の上側に入るのは、1級資格に加えて、複数現場の統括や部下のマネジメント経験を持つ人です。資格の取り方は施工管理におすすめの資格で解説しています。
3. 役職が上がるタイミングで動く
JACの数字では、課長未満の平均637.5万円に対して課長以上は858.8万円で、約221万円の差があります。主任・係長クラスから、課長相当のポジションで採用される転職は、年収が上がる典型的なパターンです。動く時期は施工管理の転職タイミングも参考にしてください。
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年収が下がるケースと「年収か環境か」の判断軸
JACの実績で年収ダウンが38.1%あったように、年収を下げて転職する人も少なくありません。下がる理由は、年収が低い会社に移ったからとは限りません。
- 残業・休日出勤の削減:みなし残業や現場手当が減り、総額が下がる
- 転勤・長期出張の減少:出張手当や住宅手当がなくなる
- 未経験の業界・職種への移動:経験が評価されず、初年度は下がる
年収と環境のどちらを優先するかは、転職活動を始める前に次の3点を決めておくと迷いにくくなります。
- これ以下なら転職しない、という月の手取りの下限
- 減らしたいもの(残業時間・転勤・休日出勤)の優先順位
- 1〜2年後に取る予定の資格や役職(取ると年収が戻る見込みがあるか)
残業時間を減らしたい場合は残業が少ない施工管理の職場、会社選びの見極めはホワイト企業の見つけ方をあわせて確認すると、年収を下げすぎずに環境を選べます。
求人票の年収の内訳チェックリスト
求人票の「想定年収」「モデル年収」は、同じ金額でも中身が大きく違います。面接前に、次の5項目を確認してください。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 基本給 | 月額はいくらか。賞与・退職金の計算の土台になる |
| 固定残業代(みなし残業) | 何時間分が含まれるか。超過分は別途支給されるか |
| 賞与 | 年間の支給月数と、直近の実績。業績連動か |
| 現場手当・出張手当 | 支給条件は何か。現場が変わっても出るか |
| 住宅手当・資格手当 | 支給額と対象条件(1級保有、転勤ありなど) |
同じ年収600万円でも中身で差が出る例(計算例)
以下は仕組みを説明するための仮の例で、特定の企業の数字ではありません。
| A社(想定年収600万円) | B社(想定年収600万円) | |
|---|---|---|
| 基本給 | 月32万円 | 月37万円 |
| 固定残業代 | 月8万円(45時間分) | なし |
| 月収合計 | 月40万円×12か月=480万円 | 月37万円×12か月=444万円 |
| 賞与 | 120万円 | 156万円 |
| 年収 | 600万円 | 600万円 |
A社は月45時間の残業が前提の金額です。B社は残業が少なくても同じ年収になります。時給に直すと、働く時間が短いB社のほうが有利です。提示額が同じでも、残業前提かどうかで実質の条件は変わります。
確認の質問例は次のとおりです。
- 「想定年収には、月何時間分の固定残業代が含まれていますか」
- 「直近1年の部署の月平均残業時間は何時間ですか」
- 「賞与は直近3年で何か月分出ていますか」
- 「現場手当や出張手当は、年収に含まれていますか」
面接で聞きにくい項目は、転職エージェント経由で確認すると聞き出しやすくなります。
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ゼネコンとサブコンの年収差は統計がない
「ゼネコンのほうが高いのか、サブコン(専門工事・設備工事会社)のほうが高いのか」はよく聞かれる疑問ですが、今回調べた範囲では、両者を同じ条件で比較した公的な統計や転職サービスの集計は見つかりませんでした。
ゼネコン・サブコンそれぞれに高額の求人例はありますが、個別の求人は残業時間や出張の有無、年齢によって前提が違います。会社の規模や種別だけで「ゼネコンが高い」「サブコンが低い」と断定せず、上のチェックリストで中身を比べるのが確実です。
なお、マイナビ転職の職種別モデル年収では、建築(606万円)と土木(587万円)、電気設備(579万円)、空調設備(552万円)で最大約54万円の差があります。職種選びの参考にはなりますが、これも求人のモデル年収の平均で、実際の年収を保証する数字ではありません。
転職で年収を上げる進め方
- 現在の年収を内訳で整理する:基本給・固定残業代・賞与・手当に分け、手取りの下限を決める
- 自分の資格と経験で狙えるレンジを知る:1級資格、統括した現場の規模、部下の人数を書き出す
- 転職エージェントに複数登録する:求人票に載らない内訳(固定残業代、賞与実績)を確認してもらう
- 年収交渉は内定後でなく選考中に進める:提示額の内訳が分かった段階で、希望条件を伝える
- 入社後1〜2年で取れる資格・役職を伝える:1級取得や現場代理人への昇格など、年収が上がる道筋を確認する
エージェントの選び方は施工管理におすすめの転職エージェントで比較しています。
よくある質問
まとめ
- JAC実績では年収アップ55.6%(平均+116.1万円)、ダウン38.1%。転職すれば上がるとは限らない
- 統計ごとに前提が違う。転職者の実績(平均500万円)と求人のモデル年収(550〜600万円台)は別物
- 上がる条件は、1級資格、現場統括・マネジメント経験、役職が上がるタイミング
- 求人票の年収は、基本給・固定残業代・賞与・手当の内訳と実残業時間で比べる
- ゼネコンとサブコンの差を示す統計は確認できなかった。個別の求人で中身を比べる
年収を上げたい気持ちと、働き方を変えたい気持ちは、どちらも転職の正当な理由です。まず手取りの下限を決め、求人の内訳を確認できるエージェントに相談するところから始めてください。以下のサービスでは、業界に特化した無料の転職相談が可能です。
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