「電気工事士に転職したら、年収はいくらになるのか」「第一種と第二種で差はあるのか」と迷っている方は多いはずです。
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」では、電気工事従事者の平均年収は約551万円です。ただし、資格保有者に絞った令和3年の集計は男性で約462万円、未経験の初年度は約280万円と、数字の対象によって大きく違います。
この記事では、3つの数字の違いを整理したうえで、資格・職種・給与体系の3軸から「転職で年収が上がる人・上がらない人」の分かれ目と、求人票で年収の中身を見抜くポイントをまとめました。施工管理の年収も比べたい方は施工管理の転職と年収もあわせてご覧ください。
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年収の数字は3種類ある。自分の目安はどれか
電気工事士の年収を調べると「462万円」「551万円」「300万円台」と数字がばらばらで出てきます。間違いではなく、集計の対象と年が違うためです。
| 数字 | 対象・調査年 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 約551万円 | 電気工事従事者(男女計・平均42.0歳・勤続14.3年)、令和5年 | 10年以上働いた人を含む「職種全体」の平均 |
| 約462万円 | 電気工事士(男性)、令和3年 | 資格保有者の平均の目安 |
| 約280万円 | 経験1年目の年収の目安(令和3年のデータを基にした集計) | 未経験で入る人の初年度 |
出典:Benesse マナビジョン「電気工事従事者の年収」(令和5年賃金構造基本統計調査)、TAC「電気工事士の年収」(令和3年賃金構造基本統計調査)
551万円の内訳は、月のきまって支給する現金給与が36万7,400円、年間賞与その他特別給与が110万600円です(10人以上の事業所が対象)。平均勤続が14.3年と長いため、転職直後の年収とは分けて考える必要があります。
- 未経験・経験3年未満:280〜350万円台を見込む(551万円は10年後の姿と考える)
- 経験5〜10年:400万円台前半〜460万円前後
- 10年以上+第一種や施工管理技士:500万円台が射程に入る
なお「電気工事従事者」は統計上の職業分類で、資格保有者だけの集計ではありません。年収の位置づけを施工管理と比べたい方は施工管理の年収のリアルも参考になります。
経験年数・年齢別の年収の伸び方
電気工事士の年収は、経験年数に応じて着実に上がる職種です。TACが紹介している令和3年の集計では、経験年数別の年収は次のとおりです。
| 経験年数 | 年収の目安 |
|---|---|
| 1年目 | 280万円 |
| 2〜4年目 | 347万円 |
| 5〜9年目 | 411万円 |
| 10〜14年目 | 462万円 |
| 15年以上 | 544万円 |
出典:TAC「電気工事士の年収」(令和3年賃金構造基本統計調査)
男性の年代別では、20〜24歳で359万円、25〜29歳で437万円、30〜39歳で474万円、40〜44歳で517万円、50〜54歳で591万円と、年齢とともに上がります。
ここで押さえたいのは、1年目の280万円から5年目で400万円台に届くまでの伸びが大きいことです。転職時に今の年収より下がっても、経験を積む前提で数年後の水準を見る方が、判断を誤りません。
第一種と第二種で年収は変わるのか
第二種は住宅や小規模店舗などの一般用電気工作物、第一種はそれに加えて最大電力500kW未満の自家用電気工作物(工場やビルの高圧設備など)まで扱えます。担当できる現場が広いぶん、会社が第一種を評価する傾向があります。
| 項目 | 第二種 | 第一種 |
|---|---|---|
| 月収の平均(TAC掲載・出典の明記なし) | 32.8万円 | 37.2万円 |
| 資格手当の相場(求人サイトの記載) | 月2,000〜5,000円前後 | 月4,000〜10,000円前後 |
| 年額換算 | 約2.4〜6万円 | 約4.8〜12万円 |
月収の差は4.4万円ですが、手当だけで説明できる差ではありません。第一種を持つ人は高圧設備を扱う現場や、現場をまとめる立場に回ることが多く、その役割の違いが月収に出ていると考えられます。第一種と第二種を分けた公的な統計は確認できていないため、数字は目安にとどめてください。
第一種は試験に受験資格の制限はありませんが、免状の交付には3年以上の実務経験が必要です。未経験で入社して実務を積めば、数年後に第一種の免状を得て手当や役割の拡大につなげられます。
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電気工事施工管理技士で年収はどこまで伸びるか
電気工事士の年収を大きく伸ばす手段が、電気工事施工管理技士の取得です。現場で作業する側から、工程・品質・安全を管理する側に回るため、役割が変わり年収帯も上がります。
- 1級電気工事施工管理技士:年収500〜600万円(アガルート掲載、求人統計データ)
- 2級電気工事施工管理技士:年収約400万円
- 年代別(施工管理技士全体):20代は約450万円、30代は500〜550万円、40代は550〜600万円
出典:アガルート「電気工事施工管理技士の年収」(調査年の記載なし)
サイトによっては500〜700万円とするものもあり、幅があります。比較の基準として、国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」の日本全体の平均給与は478万円です(アガルートが引用)。1級を取ると、全体平均を明確に上回る水準が現実的になります。
資格ごとの違いや取得の順番は施工管理の資格おすすめ、1級と2級の年収差は施工管理の1級・2級の年収の違いで整理しています。
転職で年収が上がる人・上がらない人の分かれ目
同じ電気工事士でも、転職で年収が上がる人と下がる人がいます。分かれ目は「資格」「職種」「給与体系」の3軸で見ると整理できます。
| 軸 | 上がりやすい人 | 上がりにくい人 |
|---|---|---|
| 資格 | 第一種または施工管理技士を持ち、高圧・ビル・工場の現場経験がある | 第二種のみで、住宅の小規模工事が中心 |
| 職種 | 施工管理・現場代理人など、管理側に回る | 職人として同じ作業を続け、役割が変わらない |
| 給与体系 | 月給制で賞与・資格手当が明記されている | 日当月給で、雨天や閑散期に収入が減る |
職種別の年収を比べた公的な統計は確認できていません。ただ、住宅の配線工事が中心の会社と、ビルや工場の設備工事を請け負う会社では、扱う現場の規模と求められる資格が違います。年収を上げたいなら、求人に書かれた工事の種類と、必須資格の等級を必ず見てください。
- 月給は高いが、固定残業代が大きく、基本給が低い
- 資格手当が付かない会社に、第一種を持って入社する
- 経験を活かせない職種に移り、実質的に未経験扱いになる
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求人票で年収の中身を見抜くポイント
求人票の年収は、同じ金額でも中身が大きく違います。次の4点を、応募前に必ず確認してください。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 固定残業代 | 何時間分が何円含まれるか。超過分が別途支給されるか |
| 資格手当 | 第一種・第二種・施工管理技士ごとに金額が分かれているか |
| 現場手当 | 出張や遠方現場の手当が毎月出るのか、現場ごとの日額か |
| 日当月給・月給 | 休日数が多い月に収入が減らないか。賞与の有無と過去の実績 |
特に注意したいのが、固定残業代と日当月給です。モデル年収の上限は、残業が多い月や手当をすべて含めた金額で書かれていることがあります。基本給と手当を分けて聞くことで、手取りのイメージが具体的になります。
施工管理側の求人票でも同じ見方が使えます。内訳の確認方法は施工管理の転職と年収でチェックリストにしています。
未経験から入って資格を取るまでの年収
未経験から電気工事士になる場合、最初の1〜2年は年収が低く、資格を取ってから伸びるのが一般的です。1年目は280万円、2〜4年目で347万円というのが前述の集計です。
- 1年目:見習いとして補助作業が中心。まず第二種の取得を目指す
- 2〜3年目:第二種を取得し、資格手当と任せられる作業が増える
- 3年以降:実務経験が3年に達し、第一種の免状を申請できる
求人では「受験費用は会社負担」「資格取得支援あり」と書かれていることが多いですが、確認したいのは次の点です。受験費用の負担の範囲(受験料・講習費・工具代)、合格したときの手当や祝い金の有無、勉強時間を業務内で確保できるかです。支援制度が整った会社ほど、資格取得後の年収の伸びも見通しやすくなります。
未経験の施工管理側の転職は施工管理の未経験転職で、手順と求人の選び方を解説しています。
転職で年収を上げる進め方
ここまでの内容を踏まえ、年収を落とさずに転職するための進め方を3ステップにまとめます。
- 今の自分の位置を確認する:経験年数と資格から、前述の経験年数別の表で目安を出す
- 求人の中身を内訳まで確認する:基本給、固定残業代、資格手当、賞与の実績を分けて見る
- 管理側に回る道筋を作る:電気工事施工管理技士の受験要件を満たす時期を逆算する
求人の内訳や社風は、求人票だけでは読み切れません。建設業界に特化したエージェントなら、年収の内訳や残業の実態まで確認してもらえます。エージェントの選び方は施工管理の転職エージェントで比較しています。
よくある質問
まとめ
この記事のポイント
- 年収の数字は対象で違う。電気工事従事者の平均は約551万円、資格保有者の男性は約462万円、1年目は約280万円
- 経験年数で着実に上がり、5〜9年目で約411万円、15年以上で約544万円
- 第一種と第二種の月収差は4.4万円。資格手当の差だけでなく、任される現場の違いが大きい
- 1級電気工事施工管理技士まで取ると500〜600万円が射程に入る
- 上がる人・上がらない人の分かれ目は、資格・職種・給与体系の3軸
- 求人票は基本給、固定残業代、資格手当、現場手当を分けて確認する
転職で年収を上げたいなら、まず自分の経験年数に合う目安を知り、求人の内訳を確かめることから始めてください。管理側へ進む道筋まで見据えたい方は、建設業界の事情に詳しい転職エージェントに相談すると、求人の中身まで確認できます。以下のサービスでは、業界に特化した無料の転職相談が可能です。
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